Research Topics

笹井研究室の研究概要

笹井研究室(Sasai Lab)では、自然や人間のメカニズムと人工システム機械と生命、そして社会・人文学的アプローチとテクノロジーの境界・関係性を探求し、それらを新たにデザインすることをミッションとしています。

情報科学、複雑系科学、マルチエージェントシステムの枠組みをベースとしながら、人間の認知や社会的な相互作用の数理・計算モデルを構築し、次世代の「人間とAIの共創システム」について研究を行っています。現在、主に以下の3つのテーマを柱として研究プロジェクトを推進しています。


1. 認知モデリングと共創知能 (Cognitive Modeling & Co-creative Intelligence)

人間が他者をどのように認識し、予測しているかのプロセスを数理的にモデル化し、人間とAIが相互に影響を与え合いながら適応する「共創的」な関係性の構築を目指します。

  • 拡張ベイズ・逆ベイズ推論の応用: 人間の意図や行動(視線予測、ゲームにおける戦略など)を推論するエージェントのモデル化。
  • ゲームを用いた意思決定の分析: コンピュータ大貧民やじゃんけん、マイノリティゲームなどを題材に、人間の非合理性や創造性が意思決定にもたらす影響の解明。
  • 人間とAIの協働(Human-AI Interaction): 人間の創造性や直感と、AIの予測能力をいかにして調和・融合させるかについての理論的・実践的研究。

2. 対話・コミュニケーションの拡張 (Extension of Dialogue and Communication)

対話エージェントやロボットといった媒介物(メディエータ)を介した、新しいコミュニケーションの形や関係性のデザインを探求します。

  • 媒介的対話装置の実証研究: 場に「おいておくだけ」で対話を和ませたり、あえて脱コミュニケーションを誘導したりするエージェントの実証的検証。
  • 情動と適応のモデル化: ユーザーの性格や感情、行動の不確実性に応じて振る舞いを変える「気づかい」機能や、非合理的なインタラクションの分析。
  • コンヴィヴィアリティ(自立共生)の探求: 人間同士、あるいは人間と機械が自律性を保ちながら心地よく共存できるツールや環境の要件についての考察。

3. 複雑系モデリングと集団のダイナミクス (Complex Systems Modeling & Collective Dynamics)

多種多様な要素が相互作用することで生み出される「創発」現象やシステム全体の振る舞いを、時間・空間の側面から理論的に解明します。

  • 非同期性がもたらす協調と適応: エージェントの観測や行動のタイミングがずれること(非同期性)が、集団の膠着状態の解消や協調計算に与える影響の分析。
  • 人工市場モデルと多様性の創発: 人工市場モデルやマルチエージェントシミュレーション環境において、社会規範や多様性がいかにして立ち現れるかの研究。
  • 情報とシステムのネットワーク的理解: ネットワーク管理支援システムの研究から発展し、複雑なネットワーク構造上での自律分散的な問題解決アプローチの探求。

研究室のカルチャーと参画について
当研究室では、様々なバックグラウンド(情報科学・物理学・生物学・哲学・人文社会科学など)を持つ学生や研究者とのコラボレーションを歓迎しています。最も大切にしているのは**「自ら問いを立てる」**力です。異分野の知識を掛け合わせ、自由な発想で議論しながら新しい価値の創出を目指しましょう。ご興味を持たれた方は、ぜひお気軽にご連絡ください!